NEW ALBUMのニューアルバム的解説①『HEAD』

カテゴリー: DOTAMA

NEW ALBUMのニューアルバム的解説①『HEAD』

8月12日『ニューアルバム』というアルバムをリリースし、
9月11日に『ニューワンマン』というワンマンLIVEを開催するラッパー・DOTAMAです。

なぜニューアルバムが『ニューアルバム』なのか。
なぜワンマンが『NEW』なのか。
なぜ両タイトルに『NEW』という言葉がつくのか。

その因果関係をお話しすべく、ワンマンまであと10日、収録された楽曲の解説をする事でご説明したいと思います。ぜひお付き合い頂けたら幸いです。

「アーティストが曲解説なんて!」と思いの方は飛ばして頂いて大丈夫です。ですが聞いた後に読んで頂けるだけでも非常に、非常に嬉しいですし、これを読む事でまだ自分の楽曲をお聴きになった事の無い方が興味を持って頂けたら幸いです。そして理解を深めて頂けたらこれ以上の喜びはありません。

いざ。

1曲目『HEAD』

今回のアルバムの1曲目。自己紹介の曲です。ラッパーにとって絶対必要な曲。ラッパーしかやれない、ラッパーが一番格好良く見えるジャンルの曲だとも思います。

アメブレイクさんでのインタビュー(005961.html)やTwitter(dotamatica)でも書かせて頂いた通り、5年前に1stアルバム『音楽ワルキューレ』をリリースさせて頂いて以降、MCバトルを中心に沢山の方が自分を知って頂いて本当に有り難かった反面、新しく自分を知って頂いた方に「自分が何者か」という楽曲を改めて作る必要性を感じていました。なので1曲目は自己紹介の曲に絶対しようと、アルバム制作当時から決めていました。

「セルフボースト」という言葉があります。HIPHOPを聞かない方には馴染みが無いかもしれませんが、ラッパーがする自己主張、つまり「俺はヤバイ!」「俺が最高!」「俺が時代を変えるラッパーだ!」という自分のラップスキル、能力を見せる事から他のラッパーとの差を見せたり、自分の存在をアピールするテーマの事です。

最初に書いた通りこの「セルフボースト曲」は、数ある音楽ジャンル、ミュージシャン区分けの中で「HIPHOP」というジャンルの「ラッパー」というミュージシャンでなければ出来ない、「ラッパー」こそが一番格好良くやれるのではと個人的に思います。

かつてアメリカのハードコアラッパーLL Cool Jが『Mama Said Knock You Out』という曲を歌いました。

これはLL Cool Jのおばあちゃん(お母さん)が「あんたはどんなラッパーにだって負けない!全員ぶちのめしちまいな!」と叱咤激励された経緯をそのままサビにしたという曲。俺はお前らより強い、格が違うんだ、というセルフボーストです。

またかつてSnoop Doggというラッパーが『WHO AM I(WHATS MY NAME)』という曲を作りました。自分の名前でサビを合唱する。これはやはりラッパーしか出来ないセルフボーストの曲だと思います。

LL Cool Jのように「表現」「トピック」でセルフボーストするラッパーもいれば、上記のような自分の「名前」をドカーンと持ってくる事でセルフボーストするラッパーもいます。『音楽ワルキューレ』に収録されている『ウルトラMC』はこのLL Cool Jタイプのセルフボースト曲でした。なので今回は自分の名前を歌にしよう、と思いました。

「HEAD」とは自分の「DOTAMA(ド頭)」の事です。ビートを制作してくれたのはQUVIOKAL(クビオカル)。彼は13年のハハノシキュウとのコラボアルバム『13月』からの盟友で、最高のビートメイカーです。

そしてフローに関してですがこれも挑戦しようと思った所があります。「フロー」とはラップの抑揚、ラップにオリジナリティをつけるものです。通常歌詞や文章をただ読み上げると棒読みになってしまいますが、リズミカルに歌う事で文章としての歌詞を音楽として、つまりラップとして認識させるエンジン部とも言えます。

自分は比較的特徴的なフロー、「ドタマだ!」と分かるラップをスキルフルに出来ると自負しております。ただ過去5枚アルバムを制作させてもらって来た過程である一種の型が出来ていた部分もあり、一度崩してみようと思いました。全力の全力で、1バースキック(ラップ)したら全体力を消耗する位の、エネルギーをぶちまけようと考えました。それがこの楽曲のフローです。

古今東西、頭文字に『ド』を持つラッパーは沢山いますが、自分、DOTAMAこそが最強の『ド』の持ち主だという宣言。この『HEAD』はそんなセルフボースト曲です。

DOTAMA『ニューアルバム』

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